グルリット 初歩者のための小練習曲の3番〜5番の楽譜を使って、4分音符とスラー、そしてレガート奏法について簡単に詳しく解説します。
楽譜は無料ダウンロードできますので、よろしければ練習にお使いください。
グルリット 初歩者のための小練習曲 3番
前回の第1回で出てきた楽譜の音符(全音符、2分音符)に、新たに4分音符が加わります。まず4分音符から見ていきましょう。
4分音符
2分音符の丸を、塗りつぶした音符が4分音符です。
4分音符は、2分音符の半分の長さを示します。全音符と比べると1/4の長さとなります。
前回と同じく拍子記号は『C』ですので4/4拍子を示していますから、4分音符4つで1小節進む感じです。
4/4拍子は、4分音符(分母)を基準とした4拍子(分子)という意味ですね。
初歩者のための小練習曲 3番の演奏
リズムは動画を見ていただいた方が分かりやすいですが、文字で表現すると「タータタ、タータタ、タタタタ、ター」となります。
テンポは♩=100(100bpm)ぐらいから始めて♩=120(120bpm)までテンポを上げていくのが良いと思います。
グルリット 初歩者のための小練習曲 4番
スラー
4小節目と8小節目に、音符と音符を曲線でつないでいる線が「スラー」です。
スラーは音と音をスムーズに繋げるという演奏記号です。
演奏記号というのは、楽譜を見ることで「どう弾いたらよいのか」示すための記号です。
音と音を繋げることで、流れるように曲が進行するようにします。
多少語弊はありますが、ピアノでスラーを表現するための奏法(演奏方法)がレガート奏法です。
レガート奏法
ピアノで本当のレガート奏法をするのはとても難しく、私もひたすら練習の毎日です。
なぜかというと、ピアノは鍵盤を押すとハンマーが弦を叩いて音を出します。
出た音は途中で音を変更することも音量も変更できず、基本的には「伸ばすか」「止めるか」しか選択肢がないんですね。
その代わりピアノは、正確無比な音高、そして沢山の音を1人で奏でることができます。
他の楽器だと、バイオリンに代表される弦楽器では、弓を動かし続けていれば、音は永遠に出し続けることができる上に、音の途中で音の強弱を変更することも、弦を抑えている指を移動させることで、音程(正確には音高)をスムーズに変えることもできます。
金管楽器や木管楽器は、息(ブレス)や唇(リップ)で音を出しますので、息が続く限りは音を出し続けることも、途中で音を変えることもできます。トロンボーンをイメージしてもらうと一番わかりやすいかもしれません。
これらの理由で、弦をハンマーで打って発音し、鍵盤にある音以外を出すことのできない構造のピアノにとって、レガートを体現するのはとても難しいことなんですね。
ただ構造上難しいのですが「不可能ではありません」「難しい」「できない」といっても始まりませんので、今から練習しておきましょう。
練習のコツ
まず第1歩のレガートのコツは、「音をぶつ切りにしないこと」です。
具体的には楽譜の4小節目「ミーレー」と書かれている部分だと、「ミ」の部分を「レ」にかぶり気味に伸ばします。
つまり「ミ」を弾いた(押した)指は「レ」を弾いた(押した)後に離します。
こうすることで音と音が途切れずに繋がるようになります。
もう1つのコツは、弾いた音をよく聴くことが大切です。
自分の音を聴いて、「今回はこうだった」「次回はこうしてみよう」という「計画」→「実行」→「評価」→「改善」のサイクルを繰り返すことでなんでも上達していきます。
1つ注意しなければならないのが、音をスムーズに繋げようとするとテンポが乱れがちになります。
テンポが乱れると音楽的にも乱れてしまいますから注意しましょう。
初歩者のための小練習曲 4番の演奏
4小節目の「ミーレー♪」の部分と8小節目の「レードー♪」の部分にスラーが付いています。特にその部分は意識して弾いてみてください。
グルリット 初歩者のための小練習曲 5番
今回最後の5番です。4番と比べて少し4分音符が多めです。
4番と同じく4小節目「レーソー♪」の部分にスラーが付いています。
指番号にあるように、右手は「人差し指(レ)」→「小指(ソ)」と弾きます。
ここで注意しなければならないのが、何も意識しないで弾くと人間の手の構造上、小指より人差し指のほうが指の力が強いので、「レ」が大きな音で、「ソ」が小さい音になりがちです。
極端に音が大きくなったり小さくなったりしてしまうと「スムーズに繋がって聞こえない」ので意識してみてください。
左手は「薬指(レ)」→「親指(ソ)」となっています。
薬指より親指のほうが指の力が強く、特に親指は簡単に力が入るので音が極端に大きくなりがちです。
音をしっかり聞いて意識してみてください。
次回予告
次回は8分音符を解説します。
それでは楽しいピアノライフを♪
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