ピアノを弾くときの椅子の高さは何cmにすればよいでしょうか。ピアノの椅子の高さを決める2つのポイントについて解説します。
ピアノの椅子の高さを決める2つの要素
- 鍵盤に手を置いたときに、手首から肘までがだいたい水平であること
- 足が床についていること
この2つの要素を満たしていれば大丈夫です。
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ピアノの鍵盤までの高さについて
ピアノの鍵盤までの高さというのは、特に基準が定められているわけではなくピアノ毎に微妙に異なります。
いくつかのピアノについて、実際に測ってきました。
機種 | 鍵盤までの高さ |
YAMAHA CLP-545 | 73cm |
YAMAHA CLP-575 | 73cm |
YAMAHA CVP-609 | 73cm |
AvantGrand N3 | 73.8cm |
KAWAI LS-1 | 74cm |
KAWAI CN-25 | 73.5cm |
KAWAI CA-67 | 73.5cm |
KAWAI CA-97 | 73cm |
KAWAI K-300 | 76cm |
KAWAI K-700 | 75.5cm |
KAWAI GX-3 | 73cm |
KAWAI GX-5 | 73cm |
KAWAI SK-EX | 73cm |
Roland HP-504 | 73cm |
Roland HP-508 | 73cm |
Roland HP-603 | 72.5cm |
Roland HP-605 | 72.5cm |
Roland LX-7 | 72cm |
Roland LX-17 | 72cm |
CASIO GP-500 | 73cm |
鍵盤までの高さは、73cmが多いという結果になりました。ただ設置場所などによって誤差がある可能性がありますので、実際に測ってみることをおすすめします。
鍵盤に手を置いたときに、手首から肘までがだいたい水平であること
詳細な部分は、ピアノを弾くときの姿勢の記事で解説していますので、ここでは簡単に解説します。
- 水平にすることで『力を必要以上にかけなくてもピアノを弾くことができます』
- 体にかかる負担が軽くなり『疲れにくくなります』
- 負担が小さいということはそれだけ『けがのリスクを減らすことができます』
正しい椅子の高さでピアノを弾くことで、たくさんのメリットを得ることができます。
ポイントは、肘の高さが手首より若干高いぐらいに調整することです。
逆に注意点は、肘の高さが手首より低くならないようにしてください。
低くなってしまうと逆に体に負担を与えてしまいます。
鏡やスマートフォンで確認してみるのがオススメです。
ピアノ用の椅子には、『段階的に調節できる』椅子と『無段階に調節できる』できる椅子の2つのタイプがあります。
個人的には細かく調節できる『無段階』タイプの椅子が良いと思います。
私も最初段階的に調節できるタイプを購入したのですが(安かったので)、結局無段階に調節できるタイプを買い直すはめになりました。
無段階に調節できるタイプは、写真にあるダイヤルを回すことで高さを細かく調節できます。
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足が床についていること
ペダルの使用有無にかかわらず、足が床についていることは重要です。
なぜ重要なのかを解説します。
足が宙ぶらりんの場合
分りやすく説明するために通常ありえませんが、鉄棒に腰掛けた状態を想像してみましょう。
仮にその状態で、固定された鍵盤を強く押したらどうなるでしょうか。
当然まぁ、、こうなりますね。
実際には椅子に座っているのでひっくり返ることはありませんが、後ろに倒れようとする力は働きます。
これは誰でもすぐに実験し、体感できます。
やり方は、椅子に座り(背もたれには寄りかからないでください)足を浮かした状態にします。
その状態で、机などを鍵盤だと思って何度か押してみてください。
後ろに倒れようとする力を感じることができます。もっと力を加えていくと太ももが浮きます。
この力の正体は物理法則である作用反作用の法則の『反作用』といいます。
高校の物理の授業で習っているのでなんとなく聞き覚えがあると思います。
鍵盤を押した力が『作用』、鍵盤が押し返してくる力が『反作用』になります。
押した力と同じ分の力が返ってきます。
要するになにが言いたいのかというと、足をつかないで演奏すると物理法則に振り回されて上体がグラグラしてしまいます。
演奏どころではないので、体は筋肉や関節を使って安定させようと頑張ります。
頑張るということは、当然時間を追うごとに疲れていき、関節や筋肉にも必要以上に負担がかかります。
また、余計なところで力を使っている分、演奏に注力することができず良いことはありません。
では、足をついていた場合はどうなるのか見てみましょう。
足をついていた場合
物理法則に反することはできませんので、作用反作用の力は発生します。
ですが大きく異なる点として、足がついているので摩擦力が発生します。
この摩擦力によって、『反作用』の力の多くを地面に逃がすことができます。
先ほどの実験を足を着いた状態で、やってみていただくと効果が実感していただけると思います。
色々解説しましたがやったことは『ただ足を着いただけ』です。
それだけで多くのメリットを得ることができますので是非実践してみてください。
1つポイントを挙げるとすれば、効率よく摩擦力を利用するために『背筋を伸ばす』ことです。
足が着かないお子さんの場合でも、今まで解説した現象はもちろん発生します。
物理法則に振り回されて上体が安定しないと、上達の妨げになってしまうことも考えられますので、ピアノ補助台をご検討されるのが良いと思います。
ピアノ補助台は、足がつくように高さの調節できる台です。ピアノ用のものは動かないようにしっかりとした作りになっているのが特長です。
ちなみにピアノの楽譜の読みかたを知りたい人は、下記の記事で楽譜の読み方を詳しく説明していますので、ご覧ください。
それでは楽しいピアノライフを♪
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