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ピアノを弾くときの姿勢

ピアノを弾くときの姿勢
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ピアノを弾くための姿勢はどうすればよいでしょうか。ピアノを弾くための姿勢作りを詳しく解説します。また、なぜそうしたほうが良いのか、その理由についても解説します。

もくじ

ピアノを弾くための姿勢は、なんのためにあるのか

答えは『身体を楽に(身体に負担をあまりかけず)』『効率よく正確に』『使う』ために生み出された方法論です。

ピアノの原型ができたのが18世紀(1709年)といわれています。そこから現在までおおよそ300年、色々な人たちが試行錯誤を繰り返し、『いかに身体を楽に効率よく正確に使うためには』を研究し、現在に伝わっている方法論が、ピアノを弾くための姿勢に込められています。

1805年頃製造されたピアノを復元

姿勢については、長年の先人の知恵をお借りすることにしましょう。そうすることで余計な部分に気をとられることなく上達に専念できます。

この記事を読む上でも全ては『身体を楽に』『効率よく正確に』『使うための方法』ということを念頭に置いて、読んでもらえれば効率的に理解できると考えています。
仰々しく書きましたが、方法自体は難しいものではありませんので、ご安心ください。

ピアノを弾くときの姿勢作り

姿勢を作る上でのポイントは次の3つだけです。

  • 力を効率的に伝える
  • 必要なときに必要なだけ力をかける
  • 腕が動かしやすい

手の形、椅子の高さ、椅子の位置、肩を上げない、リラックスして、などなどありますが全てこの3つを満たすためにあります。

力を効率的に伝える

当然ピアノは鍵盤を押すことで音の出る楽器ですので、指を動かして鍵盤を押します。
『なにを当たり前なことを』と突っ込みが入りそうですが、この当たり前なことが重要です。

『押す』という動作は、身体の筋肉を収縮させて行いますが、それ以外にも重力や物理法則の影響を受けます。
要はこの『押す』という動作を効率的にできればいいわけです。

ピアノを弾くときの姿勢-鍵盤は押すということ

細かい話はさておき、利用できるものは全部利用してしまいましょう。

腕の重さを利用する

scale

みなさん自分の腕の重さは何kgぐらいあるかご存知ですか。
片腕で体重の6.5%ぐらいの重さがあります。(体重50kgでおおよそ片腕3.3kg)
単純に肩と腕の力を抜くだけで、この重さの何割かは鍵盤に伝えることができます。

ある程度の重さは確保できますので、あとは少しだけ力を加えればピアノの鍵盤を押すことができます。

そうすることで、身体は楽をすることができ、負担が減ります。

これが『肩を上げない』につながります。

肩を上げるということは、腕を肩で持ち上げてしまうため、腕の重さを上手く生かすことができないということになります。

力を効率的に伝える方法

椅子の高さを調節します

ピアノの椅子の高さの画像

足を床に着けます

ピアノを弾くときの姿勢-床に足を着ける

身体を安定させるために足を床につけます。計算機で計算するとわかるのですが、通常の椅子より高めの値が出ると思います。
足をしっかりつけるために浅めに椅子に座ります。
また、浅めに座ることで身体の重心が前になり、力をコントロールしやすくなります。

背筋を伸ばします

ピアノを弾く姿勢-背筋を伸ばす-1

背筋を伸ばすだけで、更に身体が安定し、効率的に力を伝えることができるようになります。
見た目もカッコよくなります。

ピアノを弾くときの姿勢-背筋を伸ばす-2

逆に猫背にしてしまうと、背骨から力が逃げてしまうので注意してください。

piano-attitude-5

肘から手首までをおおよそ水平にする

ピアノを弾く姿勢-腕を床と水平にする-1

水平にすることで、腕の重さを効率よく鍵盤に伝えることができるようになります。(少し異なりますが公園のシーソーや天秤を想像していただくと良いかもしれません)

おおよそ水平というのは若干(1〜2cmぐらい)肘が高くなるように調整を行ってください。
肘が低くなってしまうと腕の重さが肘で逃げてしまい、かえって逆効果になってしまうためです。

ピアノを弾く姿勢-腕を床と水平にする-2

手の形はピアノを弾くときの手の形の作り方で解説した手の形にして、鍵盤の上に手を置いてみてください。

スマホや鏡などで、確認しながら調整することをお勧めします。

ちなみに椅子の高さについては、下記記事でわかりやすく解説していますので、ご覧ください。

必要なときに必要なだけ力をかける

必要なときに必要なだけ力をかける

人間の筋肉は、力をかけると硬直し柔軟に動かなくなる特性があります。
そのため押す動作以外の時は、力を抜いて素早く柔軟に動けるようにしておきます。

また、力を入れると微妙な力のコントロールが効かなくなる特性もあります。
ですが、先の力を効率的に伝える方法で書いたように少しの力で鍵盤を押すことができるようになっていますので、あまり気にしなくても大丈夫です。

実感するのに簡単な実験をしてみましょう。
ピアノを弾く態勢で腕、手、肩に思いっきり力を入れた状態で、腕を横に2cm動かそうとしてみてください。

動かせましたか?ほとんどの人が5cm以上大きくズレてしまったと思います。

今度は力を抜いて、同じように2cm動かしてみてください。
いかがでしょうか、先ほどと比べてほぼ意思通りに動かすことが出来たと思います。

これが『リラックスして』につながります。

この『リラックス(力を抜いて)して』は、ピアノに限ったことでは全くなく、スポーツや楽器演奏、果ては歩く、走る、喋るなど人間の基本動作に共通することなので、覚えておいて損はないと思います。

最初のうちは意識すべきことが多く、力が入ってしまいますが、慣れてしまえば意識しなくても出来るようになりますので安心してください。

大切なのは反復することで、身体に覚えてもらうことです。
自転車や自動車でも、慣れるまでは色々な部分で気を取られてしまいますが、慣れてしまえばある程度自動で身体が勝手にやってくれますよね。それと一緒です。

練習などでミスしてしまった時などは『深呼吸してから、肩を持ち上げて力を抜く』ことをすると効果的です。

他にも『最大の敵は自分』と評されるように『100%自分の力を出し切ること』と『リラックスして演奏すること』はほぼ同じ意味なので、一番難しいことなのかもしれませんね。

腕が動かしやすい

鍵盤は88鍵だと123cm程ありますので、自由に腕が動かしやすいように、ピアノとの距離を椅子の前後で調節します。

ピアノを弾く姿勢-椅子の調整-1

個人差が大きいので明確な距離はありませんが、腕をクロスさせても肘があたらないように考慮すると、肘の角度は100度前後になると思います。

ピアノを弾く姿勢-椅子の調整-2

これは実際に試すのが、一番確実で正確です。

このときの手の形と手首の角度は、別の記事で解説していますので、ご興味のあるかたはご覧ください。

これで姿勢は出来ました。あとは演奏あるのみです。

楽譜の読み方は、こちらで解説しています。楽譜を読んだことのないかたやピアノ初心者のかたでも読めるように工夫しました。

それでは楽しいピアノライフを♪

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